10. 身近な情報の錯覚
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10-1. 身近な情報をしっかり見て、その体験から錯覚する
褒めることと叱ることの効果
賞罰のどちらが有効であるか
罰の効果は限定的で感情的混乱をもたらすことが多く推奨できるものではない 賞の効果を過小に見積もり、罰の有効性を過大視する錯覚 平均への回帰:データの性質に起因する統計的な現象。完全ではない関連性のある2つの測定値の片方が極端な値をとった場合、もう片方はより平均的な値に近づく傾向が生じること フランシス・ゴールトンの遺伝研究。親世代の身長が非常に高かったとしてもその子の身長は平均的なレベルに戻ってしまう。 叱ったあとには改善することが多いし、褒めたあとには悪くなることが多いという経験的事実
能力の測定は能力そのものをよく代表すると捉えて、回帰による変動の要因が過小評価されてしまう
10-2. 前後論法の錯覚を知る
前後論法:事前の状況を確認した上で、介入や処置などの具体的な事実があり、続けて状況の変化があればその出来事が変化の原因だったと推論する 同時発生の原因:途中で行った処置や介入が、同時発生する様々な出来事と連動していて、それら隠された要因が変化の本当の原因となること 疑似相関:実際には関連性のない2つの変数であっても隠された要因(第3変数)が共通の原因となることで関連性が生じる 相関は必ずしも因果関係とは言えない
欠落したケース:事前と事後で対象者が脱落して変わってしまい、事後の測定値が変化する場合