10. 身近な情報の錯覚
錯覚の科学 ('14)
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10-1. 身近な情報をしっかり見て、その体験から錯覚する
褒めることと叱ることの効果
賞罰のどちらが有効であるか
内向的か外向的か、能力が高いか低いかによっても変わってくる
罰の効果は限定的で感情的混乱をもたらすことが多く推奨できるものではない
賞の効果を過小に見積もり、罰の有効性を過大視する錯覚
平均への回帰:データの性質に起因する統計的な現象。完全ではない関連性のある2つの測定値の片方が極端な値をとった場合、もう片方はより平均的な値に近づく傾向が生じること
フランシス・ゴールトンの遺伝研究。親世代の身長が非常に高かったとしてもその子の身長は平均的なレベルに戻ってしまう。
平均への回帰の錯誤(回帰の誤謬):回帰現象が起こっているだけなのに、値の変化は別の何かが原因だと考えてしまう。
叱ったあとには改善することが多いし、褒めたあとには悪くなることが多いという経験的事実
カーネマン「起こりうる結果はその対象を最大限に代表する」と考える代表性ヒューリスティックの働き
能力の測定は能力そのものをよく代表すると捉えて、回帰による変動の要因が過小評価されてしまう
10-2. 前後論法の錯覚を知る
前後論法:事前の状況を確認した上で、介入や処置などの具体的な事実があり、続けて状況の変化があればその出来事が変化の原因だったと推論する
同時発生の原因:途中で行った処置や介入が、同時発生する様々な出来事と連動していて、それら隠された要因が変化の本当の原因となること
疑似相関:実際には関連性のない2つの変数であっても隠された要因(第3変数)が共通の原因となることで関連性が生じる
相関は必ずしも因果関係とは言えない
自然発生の原因:時間の経過とともに自然のうちに起こっていた場合
欠落したケース:事前と事後で対象者が脱落して変わってしまい、事後の測定値が変化する場合
サンプリングバイアス:得られたデータが本当は対象全体の一部分しか反映していない
出版バイアス:否定的なデータはあえて公表しようとしない